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白血球分画の異常

白血球分画とは

白血球は、複数種類の細胞の総称です。

白血球分画とは、好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単球それぞれがどれくらいの比率で存在しているかを百分率(%)で表したものです。

白血球の種類

通常の血液中には、これらのうちマクロファージ、形質細胞を除く細胞が存在しています。特に好中球は体内で常にダイナミックに動いているため、比率が容易に変動します。発熱していたり体の状態が平常時と異なるときは、当たり前のように白血球分画のバランスは変化します。変わりやすい数字のため、絶対的な正常範囲は存在しませんが、おおよその目安となる正常範囲は存在します。

この白血球分画は健診やドックでも検査項目に含まれることがあります。白血球分画で次のような所見が見られた場合、原因となる何らかの異常がある可能性があるため、受診喚起となることがあります。数値がわずかに外れているだけであれば問題ないことがほとんどですが、状況に応じた判断が必要となりますので、悩まれる場合はどうぞご相談ください。比率だけでなく、状況に応じ絶対数を評価することが必要です。絶対数は白血球数に比率をかけることで簡単に計算できます。

好中球が多い、少ない

[好中球の正常範囲] 40〜75%(絶対数として1500 /μl以上)

  血液の病気以外 血液の病気
多い

感染症、炎症性の病気、ステロイド投与

[慢性的な増加]喫煙、ストレス

慢性骨髄性白血病
少ない

薬、感染症、自己免疫疾患

[慢性的な減少]“体質”

慢性特発性好中球減少症、自己免疫性好中球減少症

巨赤芽球性貧血

急性白血病、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血

 

リンパ球が多い、少ない

[リンパ球の正常範囲] 20〜50%(絶対数として1000 /μl以上)

  血液の病気以外 血液の病気
多い ウイルス感染、細菌感染(百日咳、その他一部の菌) 慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫
少ない

ウイルス感染

ステロイド投与、抗がん剤、自己免疫疾患

結核、エイズ

再生不良性貧血、原発性免疫不全症候群

※ウイルス感染ではリンパ球が増える場合も減る場合もあります。

好酸球が多い

[好酸球の正常範囲] 2〜10%(絶対数として500 /μl以下)

  血液の病気以外 血液の病気
多い

アレルギー性の病気(喘息、アトピー性皮膚炎など)

薬剤アレルギー;皮疹などの症状と同時に増加し、症状改善後は回復する

血管炎、好酸球性肺炎、好酸球性胃腸炎

副腎機能不全、悪性腫瘍

寄生虫感染

特発性好酸球増多症(1500 /μl以上)

FIP1L1-PDGFRα陽性、PDGFRβ陽性、FGFR1陽性の骨髄性/リンパ性腫瘍

その他骨髄性・リンパ性腫瘍

慢性好酸球性白血病

少ない 元々の絶対数が少ないため、少なくて問題になることはありません
単球が多い

[単球の正常範囲] 2〜12%(絶対数として500 /μl以下)

  血液の病気以外 血液の病気
多い 感染症、炎症性の病気、悪性腫瘍

慢性骨髄単球性白血病(500/μl以上が3ヶ月以上)

急性骨髄性白血病

少ない 元々の絶対数が少ないため、少なくて問題になることはありません
好塩基球が多い

[好塩基球の正常範囲] 0〜2.5%

白血球の中でも特に絶対数が少ない細胞であり、問題となることはほとんどありません。白血球数が多く好塩基球の比率が高い場合は、慢性骨髄性白血病を考える必要があります。

異型リンパ球

何かに反応して形がさまざまに大型化したリンパ球のことであり、名前が紛らわしいですが“異常なリンパ球”というわけではありません。通常時でも少数(1〜2%)見られることは多々あります。ある程度見られる場合(3〜15%など)、代表的な原因はウイルス感染です。

異型リンパ球の解析には、専門の臨床検査技師が血液標本を作り、顕微鏡による観察を要します。標本作成の過程上、1時間程度の時間を要しますが、当院での計測も可能です。

芽球

[芽球の正常範囲] 0%

強い炎症に伴いごく少数出現することもありますが、芽球が確認された場合は急性白血病の可能性がありますので、速やかな受診が必要です。その他、骨髄異形成症候群慢性骨髄性白血病、骨髄線維症などの血液疾患で出現することがあります。

 

気になる方はお気軽にご相談ください。

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