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白血球増加

健診など何かの機会で血液検査を受けた時に“白血球増加”と指摘されることがあります。白血球は病原体などから体を守る細胞で、好中球、リンパ球、好酸球など複数の種類の細胞の総称です(血液細胞とは)。

白血球増加… 原因は?

白血球増加を指摘された時に注意するのは、主に次の2点です。

1. 白血球増加が一時的か、持続的(慢性的)か

2. 白血球増加をきたす病気があるかどうか?

たまたま多いことも

白血球の正常値はだいたい3300〜8600/μlくらいですが(医療機関によって多少違いがあります)、程度に関わらずこの上限値を超えると白血球増加という判定となります。当院では、白血球増加に対してはまず再検をさせていただきます。健診で数値が多かったとしても、再検すると正常範囲ということも少なくありません。この場合、健診受診前に風邪を引いていた、熱を出したということがあれば、感染症による一時的な増加と考えることができますが、特に関連する理由が見られない場合も少なからずあります。いずれにしても、再検で正常範囲であれば問題ありません。

白血球増加の原因

再検でも白血球増加が見られる場合は、原因について考える必要があります。習慣的に喫煙している、強いストレスが続いている、体重が多い(肥満)は、病気ではないものの慢性的に白血球増加をきたす可能性があります。その他、炎症所見がないかを確認します。炎症とは、体内の何らかの“異物”に体が反応することであり、原因としては感染症や自己免疫疾患(膠原病)、場合によって悪性腫瘍などです。CRP(シーアールピー)は代表的な炎症マーカーであり、血液検査で当院でも院内測定が可能です。強い白血球増加(目安として15000/μl以上)が続いている場合は、強い炎症の他、白血病をはじめとする血液疾患についても評価をする必要があると考えます。

どのタイプの白血球が多い?

白血球が多い場合、どの種類の細胞が、比率・数としてどのくらい増えているのかを確認します。増え方によってもある程度の判別が可能です。

1. 軽度の白血球増加で比率の偏りが特にない場合…喫煙、ストレス、肥満

2. 好中球が増えている場合…感染症や自己免疫疾患、臓器障害に伴う何らかの炎症、喫煙、ストレス、ステロイド投与中

3. リンパ球が増えている場合…ウイルス感染症、慢性リンパ性白血病など

4. 好酸球が増えている場合…アレルギー性疾患(喘息含む)、特発性好酸球増多症、好酸球が関連する炎症性疾患、寄生虫感染

5. 通常血液中にはおらず骨髄にいる細胞(好中球より若い細胞)が見られる場合…強い炎症、悪性腫瘍、慢性骨髄性白血病などの骨髄増殖性疾患

6. 単球が増えている場合…慢性骨髄単球性白血病(単球数として500/μl以上が3ヶ月以上持続)

7. 異常な白血球が増えている場合…急性白血病、骨髄増殖性疾患

上記3〜7で血液疾患の可能性が考えられる場合は、骨髄検査をお勧めいたします。

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