巨赤芽球性貧血
ビタミンB12欠乏性貧血 葉酸欠乏性貧血 |
- 血液細胞の産生に必要な栄養素、ビタミンB12あるいは葉酸が不足し、造血に支障をきたすことによって起こる貧血です。赤血球だけでなく血液細胞全体の造血に影響するため、白血球や血小板もしばしば減少します。血液細胞が成熟する段階で細胞内のバランスが崩れ、細胞が壊れてしまいます(無効造血と呼ばれます)。赤血球の前身、赤芽球と呼ばれる細胞が巨大化することからこの名前がついています。
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赤血球が大きくなるため、血液検査ではMCVという数値が上昇することが特徴です。MCV値の高い貧血の場合に疑い、ビタミンB12あるいは葉酸の値の低下が確認されると診断されますが、これらの栄養素が欠乏した原因の特定も必要です。ビタミンB12欠乏の方が頻度は多く、葉酸欠乏はまれです。
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進行すると血液検査で溶血所見が見られ、ビリルビン値やLDH値の上昇など、顕著な異常値を呈することもあります。
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胃炎が原因の場合は、胃炎症状を伴っていることがあります。進行例ではビリルビン値の上昇により皮膚が黄色っぽくなることがあります。またビタミンB12欠乏の場合、まれではありますが手足の痺れ、ふらつきなどの神経症状をきたすことがあります。
< ビタミンB12、葉酸欠乏の原因 >
- 治療
ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏とも、お薬の投与により補充をします。補充を開始すると速やかに回復傾向が得られます。
ビタミンB12の補充 ①注射(上腕への筋肉注射):貧血の程度により1日1回を毎日〜週3回の頻度で行います。
→貧血の原因が続く場合は、貧血回復後も2〜3ヶ月に1回程度、注射を続ける必要があります。
②原因がビタミンB12吸収障害でなければ、1日3回の内服でも治療できます。
葉酸の補充 ①注射(皮下または筋肉注射):1日1回、適宜
②原因が葉酸吸収障害でなければ、1日2〜3回の内服でも治療できます。
足りない栄養素を補充すれば速やかに改善します。体質的に吸収障害がある場合は、忘れずに定期的な補充を続けてください。