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多発性骨髄腫

  • 形質細胞の腫瘍です。形質細胞は骨髄にわずかに(全細胞の2%以下)存在する細胞で、体内の異物を排除するための抗体(免疫グロブリンと呼ばれます)を作っています。腫瘍化した形質細胞は、主に骨髄、場合によっては骨髄の外で増殖し、異常な抗体を作りすぎてしまいます。結果、腎機能障害、造血障害(主に貧血)や骨の破壊、血中カルシウム濃度の上昇といった、多発性骨髄腫(以下、骨髄腫)の代表的な異常を引き起こします。異常な抗体が増加する一方、正常な抗体作りには大きな支障をきたし、免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなったりします。これらの異常の出かたは患者さんによって個人差が大きく、既に骨折をきたして動けないほどの骨痛でつらい思いをする方もいれば、自覚的には無症状の方もいらっしゃいます。

  < 多発性骨髄腫はどんな病気?(イメージ) >

  • 診断に当たり血液検査、骨髄検査、画像検査(レントゲン, CT, MRI, PET)を行い、骨髄腫による体の障害の程度、リスク(治療が効きやすいか、予後など)を評価します。
  • 骨髄腫に関連した症状があったり、体に影響をきたしているような場合は、治療を開始します。特に症状や体への影響が見られなくても、早期に進行する可能性が高いと判断される場合は、治療が勧められることがあります。
  • 治療計画の大枠は、(1) 65歳未満で元気な方と、(2) 65歳以上の方とで異なります。どちらも可能な限り腫瘍を減らすことが目標ですが、(1)の方には自家末梢血幹細胞移植(自家移植)を伴う強力な化学療法も組み込んだ積極的な治療メニュー 、(2)の方には無理をせずに骨髄腫によるダメージを回復させる比較的やさしい治療メニューとなっています。骨髄腫は診療全体において近年目覚ましい進歩が見られており、新しい治療薬・治療方法が大きく増えました。とはいえ、残念ながらまだ治癒できるとは言い難く、長期間粘り強く治療を継続することで、体内にわずかに残存する腫瘍細胞までも極力減らしていくことが予後の改善に役立ちます。
  • 骨髄腫の治療薬は副作用が優しい薬が多く、内服での治療方法もあります。お元気な方であれば、80歳〜90歳のご高齢の方でも治療が可能なことがあります。

経過や症状に個人差が大きい病気ですが、有効性の高い治療薬が複数出ています。自家移植が適応になるかどうかで治療方針が異なります。

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