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Mピーク(M蛋白)

Mピーク(エムピーク)とは

蛋白分画という検査があります。血液中には生体に必要な蛋白が多数含まれており、種類は100種類以上に及びます。蛋白分画とはこの蛋白全体のバランスを見る検査で、そのパターンを見ることで病気の診断に役立つことがあります。これだけで診断することはできませんが、病気を疑うきっかけになったり、診断の手がかりになったりすることがあります。蛋白分画の検査データは、蛋白を5つのグループ(分画)に分けることにより、5つの山をつなぐ曲線データとして表されます。

Mピークとは、抗体蛋白が含まれるγ分画に、正常よりもいくらか高い山が出ている状態です。これがあると抗体蛋白の異常(M蛋白)が疑われます。

M蛋白とは

M蛋白とは、「異常な細胞が作っている異常な抗体蛋白」のことです。

抗体とは、私たちの体を菌やウイルスから守る飛び道具のような蛋白です。ワクチンは、特定の病原体に対する抗体の獲得を目的としています。抗体は、別名:免疫グロブリンと呼ばれ、IgG, IgA, IgM, IgD, IgEの5種類があります。M蛋白はこの5種類全てにおいて存在する可能性があり、この他、免疫グロブリンの一部だけから成るベンスジョーンズ蛋白 (Bence Jone Protein ; BJP) があります。頻度としてはIgG型が最も多く、IgD型、IgE型は極めて稀です。

M蛋白は体に全く問題とならないこともある一方、その量や質次第では臓器障害や自覚症状をきたすことがあります。体に無害の状態で量が3000 mg/dL未満のとき(IgG, IgA, IgM型の場合)は、多くの場合で「意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症:MGUS」の診断になります。何らかの臓器障害や症状があったり、量が3000 mg/dL以上のときは、「多発性骨髄腫」、「原発性マクログロブリン血症」などが考えられます。M蛋白自体は、これらの病気以外に複数の血液疾患で見られることがあります。例)慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、全身性アミロイドーシス、形質細胞腫、POEMS症候群 など

Mピークが見られるときは

IgG, IgA, IgM型M蛋白は血液中に、BJP型のM蛋白は尿中に確認されます。血液および尿検査においてM蛋白の定性検査(陽性か陰性かの検査)、IgG, IgA, IgM, 尿蛋白の定量検査(実際の数値の測定)を行います。

定性検査において実際にM蛋白が確認された場合は、次の2点を確認します。

・体に影響があるか…血液検査、体調や症状に関する問診。状況により全身骨のCTや骨(背骨など)のMRI検査。

・M蛋白を作っている異常細胞の確認…骨髄検査

M蛋白を作っている細胞は、形質細胞と呼ばれる免疫細胞です。形質細胞は骨髄に存在するため、骨髄検査にて異常形質細胞の確認、増加の程度を調べます。

この過程を経て、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症 (MGUS)、多発性骨髄腫、その他疾患の診断をし、その後の方針を決定いたします。

まとめ

M蛋白が疑われるときは、実際にあるのかないのか、M蛋白の種類、量を確定させる必要があります。実際にM蛋白がある場合は、体への影響の有無について評価をします。

 

当院の診療方針
M蛋白が少ない場合は、体への影響はなく異常細胞もわずかなことが多いです(MGUSの可能性が高いです)。このため、当院ではM蛋白が少なく無症状、他の血液検査異常がない場合は、患者様の負担を考え骨髄検査をはじめとする精査は保留とすることがございます。
 

気になる方はお気軽にご相談ください。

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