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骨髄検査

骨髄検査が勧められるとき

骨髄検査は次のような異常があるときに勧められます。

・原因不明の血液細胞の減少、増加
・血液中に異常な血液細胞が見られるとき
・M蛋白(形質細胞やリンパ球が作る異常な蛋白質)が見られるとき
・悪性リンパ腫と診断され、腫瘍の広がり(ステージ)を確認するとき

血液細胞の異常が疑われるものの、血液検査で診断がつかないときは、造血の場所である骨髄を調べる必要があります。骨の内部の網目状構造を満たすように存在する濃度の濃い血液のようなものが骨髄液で、血液中には現れない造血細胞がたくさん含まれています。骨髄検査には骨髄穿刺と骨髄生検の2種類がありますが、通常行われるのは、この骨髄液を注射器で少量吸引する骨髄穿刺です。骨髄生検は、ごく小さな骨片を骨髄組織として針先で削りとってくる検査で、骨髄穿刺だけでは診断に不十分と思われる場合に行われます。

骨髄検査の方法

骨髄検査は通常、腰骨(腸骨)の背中側で行われます。
「骨髄検査は痛い」と噂されることが多いですが、麻酔を丁寧に効かせることで、「思ったより痛くなかった」と言われる方も多いです。当院では、できるだけ痛くない骨髄検査を目指しています。予約状況にもよりますが、平日であれば受診当日の検査も可能です。

< 骨髄検査の流れ >

骨髄検査の内容・費用

骨髄穿刺で採取した骨髄液は、骨髄の細胞を多角的に評価するために何種類かの検査に提出します。骨髄検査で提出されることのある検査一覧をお示ししますが、これら全てが提出されることは少なく、状況に応じ必要とされる検査だけを実施させていただきます。

骨髄生検で提出されるのは病理検査のみです。

検査一覧 検査の内容

検査費用

(3割負担の場合)

検査結果

所要日数

骨髄像 観察用のガラスに骨髄液を薄く引き延ばし、顕微鏡で骨髄の細胞を肉眼的に評価します。 2700〜3100円 1週間
細胞表面抗原解析 骨髄にどのような細胞集団がいるか、細胞表面の蛋白の種類によって評価します。

5800円

程度

〜4日

染色体検査

(G分染法)

骨髄の細胞に染色体の異常がないか、スクリーニングを行います。

8900円

程度

2〜3週間

染色体検査

(FISH法)

特定の染色体異常が疑われるとき、または既に見つかっているときに用いられます。

7400円程度

(1件)

5〜10日

遺伝子検査

(PCR法)

特定の遺伝子異常が疑われるとき、または既に見つかっているときに用いられます。 7000〜13000円 4日〜2週間
病理検査 細胞に染色処理を施したりすることでより深い質的評価を行い、診断につなげます。

3000円

程度

〜2週間

特殊な検査を含むため、骨髄検査は総じて高額となってしまいます。上記検査費用に加え、処置料が加わります。費用が気になる方はどうぞご相談ください。

骨髄検査に関するQ&A

1. 「すごく痛いんですよね?」

骨髄穿刺はそこまで痛くはないとお答えしております。最も痛みを感じやすいのは骨の表面ですが、ここにしっかり麻酔を効かせることで痛みは感じなくなります。ただ、麻酔が効くまでの間に多少の痛みを感じることはあり、また、骨の内部には麻酔を効かせることができません。骨髄穿刺は骨の内部の骨髄液を吸引することで採取しますが、吸引の時に一定数の方で痛みが生じます。若い方ほど痛みが強い印象があり、10代以下の方はそこそこ強い痛みとなることが多いです。ここは長くて数秒ですので、ここだけ踏ん張りどころとなります。ご高齢の方で痛みを感じる方は少なく、「もう終わったの?」とおっしゃる方もいます。30〜50代の方は個人差が大きい印象です。

骨髄生検の痛みは個人差が大きい印象です。麻酔が効いていればさほど痛くないこともありますし、骨髄穿刺よりもひと回り針が太くなるため、どうしても多少の痛みが生じてしまうこともあります。

2. 「3日前に検査を受けましたが、検査の場所の痛みが残っている」

検査後、当日は無痛から軽度の痛みであることが大部分ですが、2〜3日鈍痛が残ることは時々あります。1週間長引くことはかなりまれです。万一強い痛みがある場合はご連絡ください。

3. 「全身麻酔で受けられませんか?」

骨髄検査に対する不安が強い方からご質問をいただくことがありますが、全身麻酔で行われることはないと思われます。手術においては、全身麻酔のリスクよりも治療のメリットが高いために行われますが、検査のための全身麻酔はリスクが許容されるとは言えません。当院でも原則的に局所麻酔で骨髄検査を行っております。鎮静剤を使用した骨髄検査は、わずかとはいえ鎮静剤の副作用を踏まえるとお勧めはできませんが、どうしてもお困りの方はご相談ください。(精神薬を内服中の方は鎮静剤の効果が得られないことがあります)

4. 「検査のあとはお酒を飲んでもいいですか?」

検査後は当日の入浴のみお控えください(検査部位の保護のため)。それ以外は特に禁止事項はございませんが、激しい運動や大量の飲酒は避けていただきますようお願いいたします。

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