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鉄剤

鉄不足で貧血になっている場合(鉄欠乏性貧血)は、鉄剤で補充をします。

食事で鉄摂取を意識する方もいらっしゃると思いますが、鉄分が多いと言われる食材を日々の食事に取り入れ続けることは簡単ではなく、貧血になるほどの鉄不足を治療として補うことは難しいと思われます(吸収のいいヘム鉄が多い食品は赤身の肉や魚です)。ヘム鉄のサプリメントは手軽に鉄を摂取できますが、鉄剤と比べると含まれる鉄の量はだいぶ少なくなります。軽度の鉄不足をじっくりと補っていく分にはいいと思いますし、鉄剤でどうしても副作用が出てしまう方には方法の1つとなります。

鉄剤は内服薬と注射薬がありますが、特に理由がなければまずは内服薬が使われます。鉄の含有量が多く、決められた飲み方で飲めれば吸収も良好です。ただ、消化器系の副作用が出ることがありますので、初めて内服する時はご注意ください。内服後に気持ち悪くなる、胃が痛くなる、下痢、便秘などが主な症状ですが、胃薬と併用することで症状が抑えられることがあります。鉄剤は元々5種類ありましたが、副作用が比較的少ない2種類(下表の②と③)は供給不安定・停止となっております。当院では状況に応じて③以外の内服薬、もしくは注射剤をご提案しております。

その他)鉄剤を飲み始めると鉄の成分で便の色が黒くなることがありますが、心配いりません。

鉄剤(内服薬) 特徴 飲み方

①クエン酸第一鉄ナトリウム

(フェロミア)

鉄の吸収が良好で最もよく使われます。吐き気が比較的出やすいため食後に内服し、胃薬と併用することもあります。 食後

②乾燥硫酸鉄

(フェロ・グラデュメット)

吐き気が少ないお薬です。 空腹時

③フマル酸第一鉄

(フェルム)

吐き気が少ないお薬です。カプセル剤。 空腹時

④クエン酸第二鉄

(リオナ)

腎機能低下で血中のリン濃度が高い時、リンの濃度を下げるために使われていたお薬です。鉄が含まれ吐き気が少ないため、鉄の補充に使われることもあります。内服薬の中では薬価が最も高くなります。

食後

(直後)

⑤溶性ピロリン酸第二鉄

(インクレミンシロップ)

子ども用のシロップ製剤で、吐き気が少ないお薬です。 指定なし

*薬価:クエン酸第一鉄、フェロ・グラデュメット、フェルムは1錠あたり6円程度、インクレミンは1日あたり90円程度、リオナは1日あたり150円程度となります(負担割合に応じ、そこから実際の負担金額がかかります)。

内服薬を変えて試しても副作用がつらい方、内服ができない方には注射の鉄剤が候補となります。注射の鉄剤の注意点として、点滴中の血管痛、アレルギー(まれ)、万一血管外に薬剤が漏れた場合のアザなどがありますが、確実に鉄補充ができます。以前は毎日点滴が必要なお薬が使われていましたが、より多くの鉄を含み週1または2回、合計1〜3回の点滴で補充ができるお薬も使えるようになりました。点滴時間は30分程度です。ご希望の方はご相談ください。

*注射の鉄剤の薬価は1回当たり約6000円ないし12,000円です(投与量によります)。負担割合に応じ、そこから実際の負担金額がかかります。

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