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チロシンキナーゼ阻害薬の副作用

慢性骨髄性白血病の治療の中心はチロシンキナーゼ阻害薬と呼ばれるお薬です。この病気では、細胞の中に遺伝子の異常が発生し、それによって細胞を増やす“異常信号”が光り続け、白血病細胞が増え続けることとなります。チロシンキナーゼ阻害薬は、この“信号”を消すように働きます。

現在6種類のチロシンキナーゼ阻害薬が発売されています。治療効果はいずれも優れていますが、長期間服用するため、副作用の管理が重要となります。副作用は飲み始めて間もなく現れるものだけでなく、内服を数年続けて気がつかないうちに問題となるものもあるため、注意して管理をしていくことが必要です。

それぞれのお薬で、早期に注意が必要な副作用(内服開始後、だいたい1ヶ月以内)、長期的に注意が必要な副作用(内服開始後、2〜3ヶ月から数年にかけて)をお伝えします。

※この分類は医師個人の印象であり、絶対的なものではないことをご了承ください。

※頻度が高い副作用、可能性はまれであるものの、起こると重篤な副作用を抜粋しております。他にも副作用の報告はありますので、気になる症状がありましたらご相談ください。

*白血球や血小板の減少、貧血の副作用は、いずれのお薬にも共通して可能性があります。

イマチニブ(グリベック)

飲み方:1日1回食後に内服

早期に注意が必要な副作用:浮腫(特に顔やまぶたのむくみ)、心不全、肝機能障害、足のつりなど筋肉の痙攣 など

長期的に注意が必要な副作用:浮腫(特に顔やまぶたのむくみ)、心不全、肝機能障害、腎機能低下 など

ニロチニブ(タシグナ)

飲み方:1日2回食事と時間を空けて内服

早期に注意が必要な副作用:肝機能障害、高血糖、高脂血症 など

長期的に注意が必要な副作用:心電図異常(QT延長)、膵炎、血管障害(細い動脈の狭窄や閉塞)、高血糖、高脂血症 など

血管に関連する病気をお持ちの方は避けることが望ましいです。

※腎障害のリスクは一番低い

ダサチニブ(スプリセル)

飲み方:1日1回内服

早期に注意が必要な副作用:胸水 など

長期的に注意が必要な副作用:胸水、肺高血圧、心電図異常(QT延長)、消化管出血や脳出血 など

肺に関連する病気をお持ちの方は避けることが望ましいです。

ボスチニブ(ボシュリフ)

飲み方:1日1回食後に内服

早期に注意が必要な副作用:下痢、肝機能障害 など

長期的に注意が必要な副作用:肝機能障害、腎機能低下 など

ポナチニブ(アイクルシグ)

飲み方:1日1回内服

早期に注意が必要な副作用:皮疹、頭痛、腹痛、血圧上昇、肝障害 など

長期的に注意が必要な副作用:血圧上昇、肝障害、血管障害(細い動脈の狭窄や閉塞)、静脈血栓症 など

アシミニブ(セムブリックス)

飲み方:1日2回食事と時間を空けて内服

早期に注意が必要な副作用:皮疹、頭痛、だるさ など

長期的に注意が必要な副作用:心電図異常(QT延長)、血管閉塞 など ※比較的新しいお薬のため、副作用情報は今後更新される可能性があります。

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