伝染性単核球症
伝染性単核球症は、主にEBウイルスの初感染によって引き起こされる感染症です。思春期から20代前後の若い世代に好発し、長引く高熱や喉の痛み、強い倦怠感などが特徴です。
伝染性単核球症とは
EBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス)の感染によって生じる病気で、主に10代から20代の健康な若年者に多く発症します。幼少期に感染した場合はほとんど無症状で済みますが、成長してから初めて感染すると、免疫反応が強く現れて伝染性単核球症を発症します。
主な症状と臨床的特徴
風邪と似た症状から始まりますが、一般的な風邪薬や抗生剤が効かず症状が長引く点が大きく異なります。
| 発熱・倦怠感 | 高熱が1週間から数週間にわたって長引くことが多く、強い倦怠感を伴います。 |
|---|---|
| 喉の痛み・リンパ節の腫れ | 激しい咽頭痛とともに、主に首(頸部)のリンパ節が腫れて痛みます。 |
| 皮疹 | 皮膚に赤い発疹(皮疹)が見られることがあります。 |
| 肝機能異常・脾腫 | 血液検査で白血球(異型リンパ球)の大幅な増加や肝機能数値の上昇が見られ、免疫反応により脾臓が腫れることがあります。 |
発症の原因とメカニズム
EBウイルスは非常に一般的なウイルスで、日本人では3歳までに約80%が感染しています。子どもの頃の感染では自覚症状がほぼありませんが、青年期以降に初めて感染すると、ウイルスに感染したリンパ球を排除しようと免疫が過剰に活性化し、強い症状を引き起こします。
なお、サイトメガロウイルスへの初感染でも、伝染性単核球症と非常によく似た症状が現れることがあります。
伝染性単核球症の検査と診断
長引く発熱や喉の腫れ、血液検査での白血球増加などの所見から伝染性単核球症が疑われる場合、確定診断のために血液検査を実施します。血液中のEBウイルス抗体(またはサイトメガロウイルス抗体)を測定し、急性期の感染パターンと一致することを確認します。
治療方法と経過について
EBウイルスそのものを排除する特効薬はないため、体の免疫によって自然にウイルスが抑えられるのを待つことが基本となります。
- 発熱や倦怠感が1ヶ月近く長引くこともありますが、多くは自然に軽快します。
- つらい熱や痛みを和らげるため、解熱鎮痛剤の内服による対症療法を行います。
- 脾臓が腫れている期間は、破裂を防ぐため激しい運動や腹部への衝撃を避けて安静に過ごすことが推奨されます(破裂することは滅多にないことを強調させていただきます)。
- 症状がある間はペニシリン系抗生物質の内服は禁止です。(内服すると高確率で全身の発疹が誘発されます。例:サワシリン:アモキシシリン、ビクシリン:アンピシリン、オーグメンチンなど)
