貧血とは
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貧血は、赤血球が減少し、体内に運搬される酸素量が減っている状態です。血液検査でヘモグロビン値(血色素量とも呼ばれます)が低下していることで診断されます。
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原因としては鉄の不足がよく知られていますが、実はさまざまな原因・診断名があり、鉄とは関係のない貧血も多数存在します。正しい診断をして原因に合った治療を行う必要があります。
- 急に立ち上がった時にクラッとして(あ、貧血だ)とお感じになる方は少なくありませんが、この症状は実は貧血ではなく、ちょっとした神経調節障害に起因することが多いと言えます(健常者でも十分あり得る症状です)。ゆっくり進んだ貧血は、体が貧血状態に慣れてしまい無症状のことが多いため、検査をしなければわからないことも少なくありません。
- 貧血の程度は、ヘモグロビン値により概ね下記を目安とお考えいただければと思います。
軽度:10.0以上、中等度:8.0〜10.0、高度:8.0未満
< 赤血球造血におけるさまざまな貧血の原因 >
貧血の原因
(カッコ内に遭遇する頻度を大まかに示しています)
・骨髄異形成症候群:骨髄機能そのものの異常により貧血になる(比較的少ない)
・再生不良性貧血:骨髄で異常な免疫作用が働くことにより、血液細胞が減ってしまう(まれ)
・赤芽球瘻:骨髄で赤血球系の細胞に異常な免疫作用が働くことにより、赤血球が減ってしまう(まれ)
・溶血性貧血:赤血球に対する異常な免疫作用が働いて壊れることにより、貧血になる(まれ)
・巨赤芽球性貧血:血液細胞に必要な栄養素が不足することにより、貧血になる(時々ある)
・鉄欠乏性貧血:赤血球に必要な鉄分が不足することにより、貧血になる(女性で多いものの、老若男女で起こりうる)
・サラセミア:生まれつきの赤血球異常により貧血になる(国内ではまれ)
・腎性貧血:腎機能が下がることにより赤血球造血に影響をきたし、貧血になる(時々ある)
・二次性貧血:骨髄機能は問題ないが、体内の他の問題が影響して貧血になる(時々ある)